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2026年9月中旬頃から、SNS(特にX)でこんな声が一気に広がっています。話題の中心は、麻布十番にある割烹料理店「割烹こめを」。オーナーは格闘技イベント「ブレイキングダウン」で知られた、こめおさんです。
「高すぎる」「ゼロが一つ多くない?」と驚く気持ち、正直すごくよくわかります。私も最初に価格を見たとき、思わず画面を二度見しました。でも、少し落ち着って事実を整理してみると、意外な背景も見えてきました。この記事では、公式情報・SNSの反応・価格の妥当性を、なるべくフラットに整理していきます。
▲ 出典:LIVELY HOTELS「麻布十番で伝統的な日本の朝食、『割烹こめを』の朝餉」
【事実整理】公式サイトの価格は「朝餉8800円・夕餉1万9800円」
まず、拡散されている価格はデマではなく事実です。店の公式サイト・予約ページには次のように明記されています。
- 朝餉(あさげ):8,800円(税込)※1日2組限定・10:00〜11:30
- 夕餉(ゆうげ):19,800円(税込)のコース
朝餉は「東京で味わう、旅館の朝」がコンセプトで、15種類以上のおかずが並ぶ御膳スタイル。ごはんソムリエが全国から厳選した数種類の米を使い、一流の料理人が旬の食材で仕立てる——という内容です。1日2組限定という点もポイントで、実態は「朝食」というより「朝の時間帯に提供される会席」に近い設計になっています。
つまり、コンビニおにぎりや喫茶店モーニングの延長線上の価格ではなく、最初から「体験型の食事」として値付けされている、というのが公式の立て付けです。
SNSの反応:「朝8800円でこれ?」「この値段出して食うやついるのか…」
一方で、X(旧Twitter)での反応はかなり手厳しいものでした。9月中旬から拡散された代表的な声を拾うと——
- 「朝8800円でこれ?」
- 「この値段出して食うやついるのか…」
- 「ゼロが一つ多くない?」
- 「高すぎる」
これらの声、決して「ひがみ」だけとは言い切れないと私は思います。というのも、物価高・実質賃金の伸び悩みが続く中で、多くの人にとって「朝食=数百円〜千円台」という感覚が染みついているからです。その常識の物差しで測れば、8800円は10倍近い。驚くのは自然な反応です。
ただ、注目したいのは「なぜ今、急に炎上したのか」というタイミングです。実はこの価格自体は以前から設定されており、値上げが発端ではありません。背景にあるのは、2025年夏の「麻布十番納涼まつり」での食中毒騒動です。こめおさんの店が提供した「冷やし蟹ラーメン」で複数の体調不良者が出た件で、保健所の立入調査まで入ったことは記憶に新しいところ。あの騒動以降、店の一挙手一投足に厳しい目が向くようになり、その延長線上で「8800円朝食」が再発見・拡散された——という流れです。
【比較表】8800円の朝餉は、相場から見てどの位置?
「高い・安い」は比較対象によって印象が変わります。東京の代表的な「朝食の選択肢」と並べてみました。
| カテゴリ | 価格帯(目安) | 内容の傾向 |
|---|---|---|
| コンビニ・立ち食い | 300〜800円 | おにぎり・パンなど。速さと手軽さ重視 |
| 喫茶店・カフェのモーニング | 500〜1,500円 | トースト・コーヒー中心 |
| 高級ホテルの朝食ビュッフェ | 3,000〜6,000円 | 和洋食べ放題・非日常感あり |
| 割烹こめを「朝餉」 | 8,800円(税込) | 15品以上の御膳・厳選米・1日2組限定 |
| 高級旅館の朝食(宿泊込み換算) | 3,000〜8,000円相当 | 炊きたてご飯と焼き魚の「旅館の朝」 |
| 同店「夕餉」コース | 19,800円(税込) | 夜のフルコース |
こうして並べると、8800円は「日常の朝食」としては完全に圏外ですが、「高級旅館の朝食」や「昼の会席」と比較すると、飛び抜けて異常というほどでもない——これが数字の正直な見え方です。朝餉は夕餉(19,800円)の半額以下という設定でもあり、店側の中では「入門編」という位置づけなのでしょう。
指摘されている「米へのこだわり発信」とのギャップ
もうひとつ、SNSで突かれているのが「発信と価格のギャップ」です。
割烹こめをは「お米本来の味をその先へ」をテーマに掲げ、ごはんソムリエが全国から米を厳選し、「お米を主役にしたコース」を打ち出してきました。米という、日本人にとって最も身近で、日常的で、どこか「庶民の味方」的なイメージのある食材です。だからこそ、その米を主役に据えた店の朝食が8800円——という構図に、「米はみんなのものじゃなかったの?」という違和感を覚える人が出るのは、心情として理解できます。
さらに、食中毒騒動を経た今、「衛生管理への信頼」を再構築中のタイミングで高額メニューが話題になると、「安全への投資は? それより高い朝食?」という厳しい見方につながりやすい。価格そのものより、「この店は今、何を一番大切にしているのか」が伝わりにくいことが、批判を増幅させているように私には見えます。
▲ 出典:割烹こめを 公式サイト
私の率直な意見:「高い」と感じる人は正しい。でも「ぼったくり」と決めつけるのも早い
ここからは完全に私個人の意見です。
まず、「朝食に8800円は高い」と感じる人の感覚は、至って健全だと思います。生活の中の朝食という枠組みで見れば、手が出ない価格なのは明らかです。SNSの驚きは、価値観の押し付けではなく「普通の感覚」の表明であり、それは尊重されるべきです。
その上で言わせてください。この朝餉は「朝食」という名前の会席料理です。1日2組限定、15品以上、厳選米と旬の食材、麻布十番の地代。原価と体験価値を積み上げれば、8800円は「法外な暴利」というより「割烹業態としての適正レンジ内」だと私は見ます。実際、価格が批判されながらも、朝餉は以前から「予約が取りにくい」状態が続いていたと本人も発信しています。需要があるから値付けが成立する——市場の答えは、ある意味すでに出ているのです。
ただし、店側に一つだけ言いたいことがあります。「米へのこだわり」を語るなら、価格の理由も同じ熱量で語るべきだということ。なぜ8800円なのか、何にいくらかかっているのか、限定2組の体験にどんな価値があるのか。それを丁寧に開示すれば、「ゼロが一つ多い」という声の一部は「なるほど、そういう商品なのか」に変わるはずです。特に食中毒騒動を経た今は、価格の説明責任は衛生管理の説明責任とセットです。沈黙は、炎上の燃料にしかなりません。
そして私たち消費者側も、「高い」と感じることと「存在を否定する」ことは分けて考えたい。8800円の朝食を選ばない自由と、それを記念日の体験として選ぶ人の自由。どちらも共存していいはずです。
まとめ
- 「朝餉8800円・夕餉1万9800円」は公式サイトに明記された事実
- 9月中旬から「高すぎる」「ゼロが一つ多くない?」とSNSで拡散。直接のきっかけは値上げではなく、食中毒騒動後の注目度の高まり
- 内容は「朝食」というより1日2組限定の朝の会席(15品以上・厳選米)
- 相場比較では日常の朝食としては圏外だが、高級旅館の朝食や昼会席と比べれば突出はしていない
- 批判の本質は価格そのものより、「米=身近な食材」の発信とのギャップと説明不足にある
「高い」と感じる感覚も、「それでも食べたい」という気持ちも、どちらも本物です。大切なのは、事実を踏まえた上で、自分の物差しで判断することだと思います。
【参考ソース】
・割烹こめを 公式サイト
・Yahoo!ニュース(SmartFLASH)「食中毒起こした割烹料理店の『8800円朝食』が波紋」
・LIVELY HOTELS「麻布十番で伝統的な日本の朝食、『割烹こめを』の朝餉」
・「こめお『8800円朝食』はなぜ批判されたのか、価格の実態」


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